「一人も見捨てない。」ことを上位の目標とする。言い換えれば,「全ての人が課題解決のためにあきらめずに力を尽くす」ことである。
具体の学習場面を展開してみよう。本時の学習内容は,「三角形の面積を計算で求めることができるようになる。」である。これが,具体的な本時の学習内容のめあてである。
学級集団の『学び合い』の心の浸透具合によって異なるが,通常は,始まりに上位目標を目指すことの有用性について語る。耳にたこができるほど語り,もううんざりしているくらいの学級ならば,「分かっているよね。」程度で示すこともできるだろう。どこかに記すこともあれば,記さないこともある。
「さぁ,始めよう。」で学習活動は始まる。具体的な課題は,「三角形の面積を計算で求めることができるようになる。」ことを全員が目指すのである。
だから,学習内容の定着度が上がる。学ぶことの価値を自らが知っていて,身に付けようと主体的に取り組むのであるから,これは学びが成立する最も有効な条件を満たしている。
こうやって学びを主体的に進めるので,学習内容の定着率が上がることは間違いない。また,逆に言えば,定着していないことを自ら振り返ることから,さらに学び方の改善を主体的に行うことができる。いえ,改善を行っていくことをするのである。
別視点から見れば、時間中の学びの姿である。これは目を見張るものがある。いわゆるできる子もできない子も生き生きと学びに取り組む姿が数多く見られるのである。私の一斉授業では、眠たそうにしていた人、退屈そうにしていた人、そういう割合が激減する。それは当たり前と言えば当たり前かもしれない。自分から進んで取り組んでいるのだから学びの姿が変わるのは当然だろう。だから、学習内容の定着にも期待ができるものである。 |